ZENKOBEAMS 5-4 東海NEXUS
激戦となった決勝戦は、ZENKOBEAMSが鮮やかな逆転劇から5対4の逃げ切り勝ち。東海NEXUSを下し、2017年の第12回大会以来8年ぶりの優勝を飾った。
2017年の第12回大会以来2度目の優勝に王手を賭けたZENKOBEAMSは、今大会ここまで履正社RECTOVENUS(6対0)、阪神タイガースWomen(6対1)、瀬戸内ブルーシャインズ(13対4)、エイジェック(3対1)を倒して決勝まで辿り着いた。一方、初優勝を狙う東海NEXUSは、WELFARE(11対5)、全府中女子硬式野球倶楽部(10対1)、10Carat Express(11対1)、はつかいちサンブレイズ(5対2)に勝利して初の決勝進出。準決勝から1日空けて午後5時前のプレイボールとなった。
先手を奪ったのは東海NEXUSだった。今大会3試合目の先発となったZENKOBEAMSの右腕・山本悠未に対して1回裏、盗塁失敗がありながらも2死から四球と4番・高橋咲耶、5番・樋口楓の連続ヒットで満塁とすると、7番・藤田理子への初球が抜けて押し出しデッドボールとなって1点を先制。3回裏には、ZENKOBEAMSの2番手・左川楓に対して、2本のヒットから1死2、3塁として再び7番の藤田が、今度は綺麗に逆方向のレフト前に弾き返すタイムリー。3回を終えて東海NEXUSが2対0とリードを奪った。
迎えた4回表だった。3回まで東海NEXUSの先発・三浦ひよりの力強いストレートに苦しんでいたZENKOBEAMSだったが、この回は3番・内永芽依、4番・河野朱加里、6番・市川陽菜と3本のヒットで1死満塁のチャンスを作ると、今大会8打数6安打と絶好調の7番・太田栞、さらに8番に入った主将の坂口英里の連続タイムリーで同点に追い付く。ここで攻撃の手を緩めることなく、相手ワイルドピッチの直後に9番・樋口心菜が畳み掛けるようにスクイズを決め、さらに1番・安食志保もセーフティースクイズで続く。「点の取り方がすごく良かった」「1点が最後に響いてくると思っていた」と中島梨紗監督。この回打者一巡の攻撃で一挙5点を奪って試合をひっくり返した。
そしてZENKOBEAMSは5回裏から3番手として“切り札”泰美勝がマウンドに上がる。今大会3試合で7回1/3イニングを4安打1死球で8奪三振と圧巻のピッチングを続けてきた左腕は、5回、6回を打者6人で完璧に抑える。
だが最終7回裏、東海NEXUSが粘りを見せ、1番・藤原和那子の内野安打から2死1、3塁として5番・樋口がレフト線を破る2点タイムリー2塁打を放って1点差。さらに今大会の敢闘賞を受賞することになる6番・藤田もヒットで続いて2死1、3塁とチャンスを広げたが、ZENKOBEAMSの泰が「最後は気持ちで投げました」と最後はセカンドゴロに仕留めてゲームセット。MVPを受賞した泰のガッツポーズからマウンド上に歓喜の輪が広がり、激戦に終止符が打たれた。